日本情勢:日米首脳会談

昨日行われた日米首脳会談を記事にしました。
トランプ氏と高石氏は午前中は迎賓館で日米首脳会談、午後に横須賀の米軍基地へ移動。

個人的にはこのシーンが良かったかなと。

野球を通じた共通点:
首脳会談の開始前に高市首相が「遅れて申し訳ない、トランプ氏と控室で野球(ワールドシリーズ)を観ていた」と明かしたんですね。
会談の前に和やかな雰囲気になりますし、お互いに野球ファンという共通点が認知されたことも強みになります。
ちなみにトランプ氏はヤンキースファン、高市氏は阪神の熱烈なファンです。

さて、首脳会談の方ですが、

<防衛費の増額>
アメリカ側は、ヨーロッパのNATO加盟国に対して3.5%の要求をしていた経緯もあり、日本に対しても3.5%を要求していたのではないかと推測されていたが、岸田政権下で約束されていた防衛費2%の達成を前倒しし、来年3月までに実施することを表明。ただ詳細は明らかになっていない。

7月に合意されていた日本からアメリカへの5500億ドル(約80兆円)の投資について、その詳細な使途や支出方法は議論が行われていない。
一方、 会談内容は、短い時間で断片的に話されたものであり、防衛費や経済に関する詳細な議論は既に事務レベルで徹底的に行われていたと推測されているメディアもある。
インフラ名目で支出を調整する余地はあるとの見方も。

<署名文書とレアアース問題>
会談後、2つの文書が署名された。

1)「日米同盟の新たな黄金時代に向けて」という合意の実施に関する文書。

2)レアアースのサプライチェーンを日米両国で拡大するという、対中国の合意文書。

レアアースの重要性:
日本もかつてはレアアース輸入の80〜90%を中国に依存していたが、近年戦略的に依存度を50%以下に下げている。中国はレアアースの輸出規制を一時的に緩和したが、市場を支配しており(世界の生産量の約60%、生成量の約85%)、これを武器化しているため、アメリカにとってサプライチェーンの多様化は国家安全保障上の急務。

日米は、地政学的に安定した地域へ供給源を分散させること、そしてレアアースを中心とした鉱物安全保障のパートナーシップを14カ国で推進していくことで合意。このレアアースに関する合意は、防衛費の増額議論よりも大きな成果として焦点が当たっていた。

日本国内にはレアアースが豊富にあるものの(例:南鳥島の海底)、掘削コストが高いという課題がある。

ロシアからの原油輸入停止圧力
トランプ氏は、日本に対し、サハリン2からのLNG(日本の輸入シェア約1割)を含むロシア産原油の輸入停止を要求した可能性が高い。
輸入停止の期限が12月に迫っており、日本が停止すれば、代わりに中国が安価に買い叩くだけであり、日本経済が苦しむジレンマが指摘されている。

<会談の総評>
今回の首脳会談は結果的には良い評価で終わることができたようです。

トランプ氏の異例の約束:
トランプ氏は高市氏に対し、「必要なことは何でも支援すると約束した」と伝え、「日本を支援するために私にできることは何でもする」と述べた。この発言は、トランプ政権が他国への援助を削減する姿勢とは対照的であるとして、海外メディアでは注目している。

<トランプ大統領の到着と厳重な警備・演出>
六本木から皇居周辺への移動には、特殊な防弾仕様の専用車「ビースト」が使われ、その長い行列ができていた。

トランプ大統領は、皇室の権威を演出する日本側のライトアップされた皇居周辺で天皇陛下と会見。トランプ氏は無類の王室好きであり、この会見は旅の良いスタートになったと評価されている。

宿泊先は、強固なセキュリティ体制が敷かれたホテルオークラでした。これは、テロ対策やドローン対策といったセキュリティ上の理由からであり、オークラはアメリカ大使館へ繋がる地下通路があるという都市伝説(複数の元社員が証言)がある点からも、安全性が重視されたと推測されている。

<その他>
トランプ氏は防弾ガラスとミサイル防衛システムを搭載した専用ヘリ「マリーンワン」に乗り込み、高市氏も搭乗したが、これまでの首相ではめったにないことらしい。

トランプ氏は安倍元首相と親しい関係を築いていた為、高市氏はサプライズプレゼントとして、安倍氏が所有していたパターと日本人初マスターズで優勝した松山英樹選手のサイン入りゴルフバッグ贈呈。

まずまずは良いスタートが切れたと思います。個人的には横須賀でのスピーチは高市氏は
海外勤務の経験があるので英語でやって欲しかったのですが。今後の高市氏の手腕に注目ですね。

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