北欧神話に登場する巨大な木。
世界樹、宇宙樹とも呼ばれる「ユグドラシル」
この木を中心に9つの世界が展開されています。
そういうわけで本日は北欧神話を。
名称の由来
Yggdrasill 「ユグドラシル」
“Ygg’s horse” (恐るべき者の馬)
ちなみにこの馬(スレイプニル)は主神オーディンの馬を指し、凄い神獣!
8本の脚があり、空を飛びとてつもない速さで駆けたという。
そしてこの巨大樹「ユグドラシル」は世界に根を伸ばし、支えていたとされる。
世界の創生
巨人ユミルから世界が造られた北欧神話では原初の巨人ユミルから巨人族が生まれ、その後オーディン等によってユミルが殺害され解体される。
巨人ユミルの毛髪や骨から樹木から岩石を、血は海、肉は大地、脳味噌は雲、歯と顎は石頭蓋骨は天を、まつ毛は防壁を造った。
その後、太陽と月や星を置き、季節を定め、流木から男女が生み出された。
そして人間の世界ミズガルズと巨人の世界ヨトゥンヘイムを造った。
こうして巨人ユミルから世界が創生され、神々の世界アースガルズが完成する。
オーディンと世界の滅亡
また、オーディンは戦争と死の神で魔術に長けており、その術を手に入れる為、ミーミルの泉を飲み、左目を代償に差し出した。
ルーン文字の秘密を得るため、ユグドラシルの木で首を吊りオーディンが所持しているグングニルという槍を自ら刺し9日9夜、自分自身を自分という神に捧げた。
大アルカナ XII 「吊された男」はこのときのオーディンを描いたものだという言われている。
その後ルーン文字の秘密を得るが、それだけに留まらず、彼は大カラスのフギンとムニンを世界中に遣わし、あらゆる情報収集して知識を得て、世界を監視した。
「知識」に対して貪欲だったオーディン。
目的の為に手段を選ばず、それが世界の破滅へと導き、繰り返された戦乱の中、最後は巨狼フェンリルにオーディンは飲み込まれ、大地は炎で焼き尽くされ海へと沈んでいく。
世界が滅んだかと思われたが、その後沈んだ大地が再浮上し、生き延びた人間や神々が復興する。
というのが大まかな物語です。
しかし中身は壮絶な争いが多くかなりドロドロとしています。
話を巨大な木に戻しますが、創世記にも重要な木が現れています。
エデンの園
旧約聖書「創世記」では、エデンの園に「知恵の樹」と「生命の樹」があり、ある日アダムとエバが蛇にそそのかされて、「知恵の樹の実」を食べてしまいます。
中央に植えられていた残りの「生命の樹」を食べたら「神に等しき永遠の命を得る」とされていた為、それを危惧した神は、ふたりをエデンの園から追放しました。
生命の樹(セフィロトの樹)
ユダヤ教の秘教的な教え「カバラ」では、10個の円形(セフィラー)と22個の線(パス)を体系化した図を「セフィロトの樹」があります。
これは
宇宙を支配する法則と人間が神の元へ至るために取るべき手段・過程を表したものと言われています。
神話に出てくる巨大樹
前回、前々回の記事の流れから、今回は北欧神話に触れてみましたが、神話の世界と現実がクロスしたような不思議な感覚になります。
神話の巨大樹は、人間と宇宙を結び、個々の本質に気付かせる為の重要な役割があるようですね。
日本の神社でも「御神木」があるように私達に必要なことを語り掛けてくれることがあるので、気にして感じ取ってみるといいでしょう。